

■飾らない日常と、笑顔の中心にいる人
「お姉ちゃん!写真撮って暑いことない?ちょっとここでコーヒーでも飲んでいき!」
「本当は私も一緒におって話したいんやけど、時間がないけんまた今度ね!ゆっくりしてってー」
自転車でさっそうと帰っていくお姉さん。
営みと商いが自然と共存するこの場所は、歴史のあるものと新しいものが、自然と融合しています。
観光地として確立されているのに、そこにあるのは飾らない「人々の暮らし」であり、その延長線にある日常の風景でした。
N’s Kitchen&Laboの小池夏美さん。
通称「なっちゃん」。
笑顔が素敵ななっちゃんは、その温かい人柄とは裏腹に、松前中学校の初代女性生徒会長を務めた経歴を持っています。すべてを包み込むような優しさの中に、芯の強さと少しばかりの怖さを感じる、私の大好きな人です。


■誰かの想いに寄り添い、背中を支える空気づくり
なっちゃんは、松前町が大好きなんです。
「情に厚い」松前の人特有の人柄や、ゆっくり流れる時間。子どもの頃から食べている川﨑屋のビーフン。昔のまさき町夏祭りが義農通りで開催されていて、大きな笹飾りがあったこと。
そして、学生時代に生徒会長を引き受けた時の想い。
「何かを成し遂げようとか、そんな志があったわけじゃないんよ。ただ、生徒会の敷居を低くして、『みんなの生徒会』になればいいなと思って。朝礼の前に、一言二言話すときに、楽しい、柔らかい空気になればいいなって」
「あの時、みんなの『つなぎ役』になれたらいいなと思った経験が、今に繋がっとるんよね。
実は今、子どもの学校でPTA会長をしよんよ。みんな『新しいことはできん』『仕事が増えても困る』って諦めとる雰囲気があった。でも、フットワークの軽い新しい校長先生が来て、この方のために力になりたいと思ったんよね。少しでも変わればいいなって、役員さんとコミュニケーションをとって、意見をすり合わせて。このPTAの活動が、今度は生徒たちの『面白い』を作って『夢を持てる場所』になればいいなと思って、関わっとんよ」
『誰かの想いに寄り添いたい。頑張る人の背中をそっと支えてあげたい』
これは、私が私自身の中で大切にしている信念です。
だからこそ、なっちゃんのこの「言葉」は私の胸の奥にまっすぐに響きました。


■遠くのものより、自分が育った土壌のものを
N’s Kitchen&Laboは「ORGE NUE オルジュヌ」という、はだか麦の加工商品(そのまま食べられるオートミール状のもの)を開発しています。
私はずっと不思議に思っていました。
「健康食」というカテゴリーなら、他にも選択肢はたくさんあったはずです。それなのになぜ「はだか麦」だったのでしょうか。もしかして…と、ずっと胸に秘めていた疑問を聞いてみました。
「なっちゃんがオルジュヌにはだか麦を使用する理由って、もしかして”松前町”だからですか?」
「モノを作る仕事になった時、ずっと『はだか麦が松前町の特産品』ていうのは頭にあった。やっぱりね、自分が育った土壌でできた作物を食べるのが一番体に合うんよ。遠くからわざわざ運んできたものを食べるより、近くのものを摂った方が絶対にいい。麦は健康効果も高いし、それがパンやお菓子として普段の暮らしに根付いてくれたらいいなって思ってね」
はだか麦の良さや魅力を自分自身で深く理解し、表現するなっちゃん。
この人がいる限り、はだか麦の未来は明るい。
お話を聞きながら、私はそう確信しました。

■罪悪感を手放して。はだか麦が叶える「女性の小さな幸せ」
私だけかもしれないけど、女性というのは常に「体調と体形」を気にしながら生活している生き物だと思っています。
小麦粉は大好き。パンやケーキ、ラーメンにお好み焼き。ドーナツは大好物!
背徳感満載のものを思いっきりお腹いっぱい食べたあと「ちょっとだけいつも後悔」して…
「ダイエットは明日から!」なんて目標を掲げながら、本当は心の片隅でチクリと罪悪感を感じていたりします。
でも、もし、何も気にせず心から
「美味しい、食べてよかった」って思えるものがあったらどうでしょう。
食べることでお腹だけでなく「心」が満たされるような、そんな「小さな幸せ」を毎日感じることができたら。
きっと毎日笑顔でいられて、
その笑顔がまた、
周りの大切な人たちを幸せにできる。
私ははだか麦に「女性の小さな幸せの可能性」を信じています。
この町で暮らす人や、この町へ来る人が、少しでも小さな幸せを感じられたらいいな。
私も、毎日笑顔でいたい。
■「下の名前」で呼ばれる喜び。私たちが結び直していくもの
そして、なっちゃんが教えてくれたもう一つの
「女性の幸せ」
女性は大人になるにつれ「名前をなくす」機会が多くなりますよね。結婚すると苗字が変わり「○○の奥さん」と呼ばれ、子どもができると「ママ」「お母さん」。一人の女性として「下の名前」で呼ばれる機会が減っていってしまいます。
だからなっちゃんは、お店に来てくれる女性たちをあえて「下の名前」で呼ぶようにしているのだそうです。名前を呼ばれた時の、皆さんのときめくような笑顔がみたいから、と。
そういえば、私も下の名前で呼ばれることはめっきり減ってしまったな、と気づきました。名前で呼ばれたらきっと恥ずかしさもあるけど…
絶対すごく、すごく嬉しい。
はだか麦が持つ無限の可能性と、私たち女性のささやかな幸せ。
なっちゃんが見せてくれたその二つを、
私も松前町で、そっと優しく結び直していきたいなと思います。


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